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(>>1の続き)
例えば、夫婦と子ども4人の世帯の生活保護支給額は年413万円。サラリーマン世
帯なら、額面で490万円を稼がなければならない計算になる。生活保護受給者は、医
療費の自己負担がかからなかったり、NHK受信料が無料だったりするので、実質的に
は年収500万円のサラリーマン世帯を上回る金額を、税金から受け取ることになる。
国税庁が発表した11年の民間勤務者の平均年収は、409万円。正社員でも515
万円だ。6人家族なら、正社員でも生活保護受給でも大して収入の差がない計算になっ
てしまう。
また、母子家庭では、子ども2人なら316万円、子ども1人だと277万円の年収
がないと、生活保護を下回る。時給1000円で1日8時間、1カ月に24日働いたと
しても年収は230万円だけに、税理士は「正社員でないと生活保護を超えられない。
これでは働きに出るインセンティブは働かない」と話す。
06年に全国知事会と全国市長会による「新たなセーフティーネット検討会」座長を
務めた財団法人自治体国際化協会の木村陽子理事長は「生活保護の要件を満たすのに受
けていない人が70%おり、潜在的には12兆円の予算が必要だ。支給水準を下げたり
現物支給にするほか、就労を促す政策が必要です」と警鐘を鳴らしている。
(以上)