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広島、長崎の被爆者からは怒りといら立ちの声が上がった。
「これだけ核廃絶を叫んでいるのに、私たちの願いは成就しない」。長崎平和推進協会写真資料調査部会長の深堀好敏さん（８４）は肩を落とした。
１６歳の時、爆心地から３．５キロの学徒動員先で被爆。７９年から原爆写真の収集に取り組み、
原爆の悲惨さを訴え続けている。深堀さんは「核実験をやれば経済制裁は避けられないとわかっていながら突き進む。
正恩氏になって少しは変わるかと思ったが変わらない。困窮した国民から革命が起こるのを期待するしかないのか」と嘆いた。
３歳の時に広島市で被爆した児童文学作家、那須正幹さん（７０）＝山口県防府市＝は、３度繰り返された暴挙に「驚きもしないし、
北朝鮮に振り回されるのは良くない」と静かに語る。もちろん、「核兵器拡散は許せない」との怒りを覚える。
一方、核兵器を所有する大国に対抗して小国が核武装しようとする論理が働いていると指摘し、
米国などが率先して核兵器廃絶に動かない現状にも憤りを抱く。
今回の北朝鮮の強行で「ますます日本が右傾化していくことが怖い」との懸念も示した。
「北朝鮮を追い詰めるやり方だけでは限界がある」と考えるのは核問題に詳しい元長崎大学長の土山秀夫さん（８７）。
長崎原爆の翌日に入市被爆した。「被爆地が訴え続ける朝鮮半島を含めた『北東アジア非核兵器地帯構想』を、
日本が北朝鮮に働きかけることが大切だ」と指摘した。
毎日新聞 2月12日(火)21時0分配信
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