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島根県奥出雲町が昨年夏に公園などに設置したダビデ像とビーナス像が、思わぬ問題を引き起こしている。
町出身者が町に寄贈した大理石製の彫刻で、町は「一流の芸術作品として教育的価値がある」と説明するが、
巨大な裸像を目にした町民らは「子どもが怖がる」「教育上ふさわしくない」と町議に苦情。
町議会でも取り上げられ、山あいの町で論争が続いている。
像は、ミケランジェロのダビデ像やミロのビーナス像を模してイタリアの著名な彫刻家エンツォ・パスクイニ氏(故人)が制作。
台座部分を除いた高さは約5メートル。同町出身の元建築会社社長、若槻一夫さん(広島市)が購入して、
故郷への恩返しのために昨年4月、寄贈した。
町は「本物の芸術作品を鑑賞できる。ありがたい」と感謝。美術商や若槻さんの意向に沿いながら設置場所を決定。
力強いダビデ像は、スポーツ選手が集まる三成運動公園に。 愛と美の女神・ビーナス像は、子どもを見守るよう三成公園みなり遊園地に置いた。
昨年8月には、若槻さんを招いてお披露目式も行った。
しかし、約5メートルの裸体。小中学生や家族連れらが訪れる場所であるため、住民らから町議に苦情が寄せられ始めた。
「子どもが怖がる」「威圧感がある」「もう少しふさわしい場所に移設して」「(ダビデに)下着をはかせて」などの声があるという。
昨年9月町議会で町議の1人が問題を指摘。12月町議会では、別の町議が「教育上、ふさわしくない」
「『見たくない』『気持ち悪い』という声がある」と訴えた。しかし、町は「本物の芸術品が二つもあり、素晴らしい」
「専門家の意見を聞きながら場所を決めた。周辺の景観と合っており、移設は考えていない」と議論は平行線。
取材に対し、井上勝博町長は「幼い頃から一流の芸術作品に親しむことで、目を養うことができる。
感性に訴えかけ、 美術教育にも役立つ」と話す。
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
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