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宮崎： バブル前くらいから、ヤクザが株をやり始めますよね。そのときに、コンクリート詰めにされた見学次男とか、いましたよね。
田中： コスモポリタンの池田保次とかね。
宮崎： 池田とは田中さんも関係あって。
田中： うん、あったどころじゃなくてね。池田が失踪する遠因を作ったのは、実は僕じゃないかと思っとるんですよ。
検事時代は情報源だったけど、弁護士になってからは、池田が環境設備メーカー・タクマの株を買い占めた件で、タクマが池田対策として僕を顧問にした。
そこで、池田と私は相対するようになるわけ。
彼はタクマの株を買い占めて、タクマにいろいろと要求を持ってくるわけなんだけど、ワシは顧問としてそれを撥ね付けて。
その件でお互いに事務所を行き来するんだけど、そのたびに二、三千万円は積んどるわけよ。
会うたびに「これ持って行ってくんなはれ」って。「なんで？アンタと喧嘩してるのに」とワシが言う。とにかくこんな調子で。
でもこっちも要求を聞くわけにはいかんからね。
宮崎： 逆にそんなの貰ったらヤバいですよ。あっという間に懲戒請求ですよね。
田中： それで、池田はタクマをどうしてもうまく買収できないわけ。それで最終的に彼が出してきたのは、三菱重工の役員をしとった人間をタクマの役員にしてもらえないかという要求で。これで私も引くからと。
ところが、こっちが言うことを聞かんから、タクマの株は下がる一方。
普通だったら、池田のタクマ株をタクマに引き取らせることもできるけど、タクマは引き取らんと言う。
そこで僕は言われたとおりに全部ガードして、シャットアウトした。それで、池田は行き詰ってしまった。
宮崎： それで、最後どうなったかわからない。
田中： 岐阜のどこかに埋められたというのが定説だけど。新大阪で東京行きの新幹線に乗る前に、池田の顧問弁護士が新大阪で会ったのが最後と聞いている。
周りの人の話を総合すると、その後、京都辺りでヤクザに降ろされて、岐阜かどっかの山の中で殺されているというのがね……。
宮崎： しかし、池田は派手な仕手戦をやってましたよね。