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★首相の初外遊―緊張解くアジア外交を
安倍外交が今週から、本格的に始動する。
安倍首相は、ベトナム、タイ、インドネシアの3カ国を就任後初の
訪問先に選び、16日から19日まで訪れる。
訪米が先送りされたため、3カ国を先行させたという事情はある。
とはいえ、年明け早々には麻生副総理・財務相、岸田外相も東南アジア
諸国連合(ASEAN)の国々を訪れた。
一連の訪問は、安倍政権の東南アジア重視の表れといっていいだろう。
この地域には、各国も強い関心を寄せている。オバマ米大統領は昨年
11月、再選後初の外遊で東南アジアを歴訪した。インドは先月、
ASEANとの首脳会議を初めてニューデリーで開き、「戦略的協調関係」
への格上げをうたった。
世界の成長センターであるASEANとの関係を強め、自国の経済成長に
つなげるためである。同時に、この地域で中国の影響力が強まることを牽制
(けんせい)する狙いもある。
ASEANには、南シナ海の領有権問題で中国と争う国々があり、尖閣問題を
抱える日本も利害を共有している。
首相が訪問の目的の一つに安全保障面の協力強化を掲げるのも、海洋の緊張の
高まりに手を携えて対処したいという思いからだろう。
もちろん、台頭する中国と向き合う際、多国間の連携が大切であることは論をまたない。
ただ、ASEANの各国間でも、中国との距離感には違いがある。日米が
「中国包囲網」の構築を図っていると受け取られれば、域内の亀裂を広げることになりかねない。
(続く)
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