13/01/05 14:56:57.48 0
>>1(の続き)
しかし、日本はGDPの2倍にも達する公的債務残高を抱えていることを忘れてはならない。
デフレのままでは税収も上がらず、年金・医療など社会保障制度の維持が難しくなるばかりか、財政破綻の危機が現実のものとなる。
安倍晋三首相の答えは「強い経済を取り戻す」だ。
そのためにはまずデフレからの脱却であり、公共事業の集中投資と日本銀行の金融緩和でそれは実現できると主張する。
経済学者の多くは懐疑的である。むしろ国債市場の波乱をよびかねないと警戒している。私たちもそう思う。
とりわけ、2%の物価上昇に達するまで、無制限に日本銀行に国債などを買い入れさせるという主張は危うい。
すでに長期金利が上がってきていることに注意しなければならない。長期金利が上昇すれば、国債は借り換えも新規の発行も難しくなり、
ギリシャ化への第一歩を踏み出すことになる。長期金利の上昇だけは避けなければならない。
過去10年の日本の実質経済成長率を平均すると0.9%だ。日本銀行は少子高齢化による経済の構造的マイナス要因と、
技術進歩などによる経済拡大要因を差し引きすると、いまの日本経済の潜在成長率(実力)は1%にやや届かない程度、と見ている。
◇ミニバブルを志向?
ということは、これまでの日本経済はほぼ実力相応の成長をしてきたということだ。無理がない。
だからこそ国債市況は安定し、ひとびとは「幸せな不況」にまどろむことができた。
「それではダメ。強い経済を取り戻す」というなら、物価の引き上げでなく、構造改革で潜在成長率の引き上げを目指すのが筋なのだ。
まずは年金・医療・介護の社会保障制度を維持可能なものにし、国民が安んじて消費を拡大できるようにする。
財政改革に道筋をつけ着実に実行する。企業活力を引き出すため雇用、税制を中心に大胆な規制緩和を行う。
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加しアジアの活力を取り込む、等々だ。(続く)