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★“安倍相場”に期待 進む円安、輸出企業に年末特需
1ドル=85円台後半と約2年3カ月ぶりの円安水準となり、株価も年初来高値を
記録した27日、経済界からは「かなりの朗報だ」(日商の岡村正会頭)と歓迎する声
が相次いだ。安倍政権発足で当面は円安基調が続くという見方が多く、円高に苦しんで
きた輸出企業を中心に、業績の大幅回復への期待が膨らんできた。
高い法人税率、貿易自由化の遅れ、電力不足などを、輸出産業は「6重苦」と表現し
てきた。なかでも最大の苦しみであった円高が、「やっと是正に向かっている」と、
日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は、この円安に喜びを隠さない。
トヨタは、対ドルで1円の円高による営業減益幅が350億円に達する。だが、円高
を予想して想定レートを79円に設定していたため、仮に85円の円安水準が1年続け
ば、逆に2100億円の増益要因となる。
電機業界でも富士通の山本正已社長が「今の円安が恒常的になれば、明るい兆しが見
えてくる」と指摘。これまでの厳しい逆風から一息つけると胸をなで下ろす。また、海
外事業比率が高い味の素などの業績にもプラスに働く。
株価も「輸出産業の業績回復が、相場全体を押し上げる」(SMBC日興証券株式
調査部の西広市部長)ため、上昇基調となる連携をみせている。
下落が続いた株式相場によって、今年度上期に国内主要大手8社で、6千億円の有価
証券評価損を計上した生命保険業界にも追い風となっている。
(続く)
12.28 14:19
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