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★日銀の役割 独立性 守られているか
お札を大量に刷り、デフレが改善されるまで市場に供給していく。金融緩和策だ。
一歩間違えれば副作用を生じる「劇薬」であることは肝に銘じたい。
日銀はおとといの金融政策決定会合で10兆円の追加緩和を決めた。
併せて白川方明総裁は、「前年比2%」の物価目標の設定を検討することも表明した。
来年1月の次回決定会合で結論を出すという。
「大胆な金融緩和」を公約に掲げて衆院選で大勝し、来週政権を発足させる自民党の安倍晋三総裁の求めに応えた形だ。
長期化するデフレと円高にあえぐ日本経済。これまでの金融緩和策で効果が表れてきたとは言いにくい。
より大胆な策に活路を求めることもやむを得ない、との見方はあるだろう。
とはいえ経済界や専門家らの間で、賛否は分かれる。
日銀が国債を大量に買い上げて市場にお金を供給すれば、企業は設備投資を前倒ししやすくなる。
企業の売上高が伸びれば雇用と賃金も上向き、個人消費も押し上げていく―。金融緩和が好循環を創出するとの期待は確かにあろう。
特に経済成長を重視する人たちは評価しているようだ。景気と成長の回復は、2014年4月からの消費増税を判断する前提でもある。
一方で、警鐘を鳴らす声も根強い。物価が上昇しても、企業が収益を内部留保に回すだけでは、
賃金の上昇や雇用の増加につながらないことは明らかだ。
しかも日本の公債残高は700兆円を超える。物価と連動して国債の金利も上がれば、利払い負担もそれだけ重くなる。
金融緩和と同時に財政出動で景気を支えるといっても、インフレ下で国の借金ばかりが膨らむ。そんな懸念である。
金融緩和のアクセルとブレーキを踏むタイミングを間違えれば、重い副作用を招く。
薬の効き目を確かめながらの慎重な処方が求められよう。(続く)
中國新聞 URLリンク(www.chugoku-np.co.jp)
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