12/12/22 15:17:44.07 r+SGg1ej0
BISの実質実効レートに関する資料から
URLリンク(www.bis.org)
2010年の実質実効レートを100とした、80年代以降の実質実効レートは以下。
・1980年代の実質実効レート : 89.5円
・1990年代の実質実効レート : 109.2円
・2000年代の実質実効レート : 95.1円
上記のうち90年代に円が異様に高騰した背景には、バブル経済による過大評価から、
日米貿易摩擦に伴う投機的な超円高へと繋がり、アジア通貨危機へと至る一連の特殊事情がある。
もちろん通奏低音として日銀の金融緩和不足も大きな要因であろう。
これらは異常値なので、実質実効レートの長期水準は2010年基準を100とすれば90-95程度。
現在は概ね100を数ポイント上回る水準なので、実質実効レートで見ると現状かなりの円高であることがわかる。
ちなみに投資資金の回収は名目値で行われるので、巨額の設備投資を行う製造業等は、
仮に実質実効レートが一定でも、名目実効レートが暴騰すれば大変な被害を被ってしまう。
これはデフレ下の債務膨張が経済活動を悪化させるプロセスそのものである。
次に各国で物価水準が一致し、長期的な為替の実勢水準ともされる購買力平価水準からの乖離を用いて、
先進国中で比較的製造業が強く、輸出品目が競合するドイツ韓国らと通貨価値を比較すると、
URLリンク(stats.oecd.org)
対ドル購買力平価レート(2011年) 対ドル為替レート(2011年)
日本 106円 79円
ドイツ 0.71ユーロ 0.72ユーロ
韓国 822ウォン 1108ウォン
日本円は26%の割高、ドイツはほぼ実勢水準、韓国は34%の割安となっており、
日本は円高によって米国ドイツと比べ26%、韓国と比べ60%もの価格ハンデを背負っている。
どのような画期的イノベーションも、これらのハンデを覆すのに不十分であることは明らかであろう。