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経営再建中のシャープの国内事業所から、12月15日、早期希望退職に応じた2960人が去っていった。
米クアルコムによる出資、衆院選での自民党の圧勝で株価は一時300円を超えて持ち直しているが、
「下期に営業黒字が達成できなければ死活問題」(シャープ社員)との状況に変わりはなく、
「あらゆる経費を削減する『ケチケチ作戦』を続けている」(同)という。その涙ぐましい努力とは―。
■「そこまでするか」の徹底ぶり
「加盟していた外部の会合の多くを退会、もしくは休会した」(シャープ40代社員)という。
営業に直結しない間接部門については特に徹底している。
共同通信社が運営する「きさらぎ会」もそのひとつ。日本でもっとも古い歴史をもつ会員制の講演会組織で、
政治家や作家などが講師を務めている。会の大阪会員には、大阪に本社をもつ主要企業の広報、
経営企画、国際部門などの部門長が加盟し、毎月の講演会に参加する特権を与えられているが、
シャープはこの会を“休会”した。
年会費は30万円ほどだが、「直接営業に役立たないものは1円も出すな」といわれているだけに厳しかった。
3年前にはふんぞり返っていた会社だけに、「ここまでしなければならないとは、本当に情けない」と嘆いたという。
社団法人中央電気倶楽部(大阪市北区)の評議員を辞退したのも、ケチケチ作戦の一環。
関西の電気、電機、電線にかかわる企業が加入しているこの社交クラブは、大正3年に設立された。
昭和5年に建設された建物は、経済産業省の「近代化産業遺産」にも指定されている。
建物内ホールで昭和7年5月5日、パナソニック(旧松下電器産業)の松下幸之助が幹部社員を集めた式典を開催、
有名な「水道哲学」を表明されたことで知られる。
シャープは、会員6人の枠は維持しているが、評議員を辞退することで、さまざまなお役を免じられるという算段があるようだ。
もしくは、区切りのいいところで、会員も削減するつもりかもしれない。
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