12/12/05 23:05:34.04 NsW/1ue10
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スウェーデンの男女完全平等と女性の社会進出、高福祉による公正で平等な社会を目指した実験は、
現実には何をもたらしたか。 まず、「たいへんなコスト」がかかることが判明した。
最初から分かる人には分かっていたことだが、公的機関の建物を建て、維持する費用、
そして人件費をまかなうためには、「高額の税金」を必要とする。
家庭の中で家族の介護をしていた女性達は、公的機関の職員となって他人の親を介護する様になった。
なんのことはない、税金を払って、そこから介護手当をもらっているようなものである。
ちなみに、税金や保険料は給料の約半分だそうである。
それで仕事や給料での男女差別はなくなったか。なくならない、と女性たちは苦情を言っている。
賃金は女性の方が34パーセントも低いと。多くがパートの仕事しかないからである。
家庭教育は軽視され、子どもは早くから自立を強制される。
H・ヘンディン教授の報告書によると、スウェーデンの女性は、子どもに対する愛着が弱く、
早く職場に戻りたがり、その為に子供を十分構ってやれなかった事への有罪感があるといわれる。
しかし、子どもにとって、これは不安と憤りの深層心理を潜在させることになる。
ヘンディン教授は「自殺未遂者の多くは、母性の希薄さを中心に生まれる男女関係、
母子関係の緊張という心理的亀裂ないし深淵」を指摘している。
では、スウェーデンモデルはなぜ破綻したかのか。それは産み出した思想が間違っていたからである。
その思想とは、「子育てや老人介護を家庭の中でやると、必ず女性が損をする、
だから、社会(公的機関)が行うようにすべきだ」というものである。
その背後には、「男女の役割分担は悪である」というのが、その基本的な考え方である。
この考え方の中にこそ、スウェーデンモデルが破綻した根本原因が潜んでいる。
スウェーデンの女性たちは権利と損得と公平とを、それだけを第一のものとして性急に要求して、
じつは最も大切なものを破壊してしまった。 最も大切なものとは家族と、
その中における心のあり方、愛情や情緒や優しさ、思いやり、等々である。
【元東京女子大学教授 日本ユング研究会会長 林 道義】
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