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・「この村にあれがなかったら経済は大変だ。生活が成り立たなくなる」
北海道泊村のカブト岬。凍てつく風が吹きすさぶ中、ホッケを釣っていた工藤昭さん(77)が海岸線の先に目をやった。
丸いドーム形の建物。5月から稼働が止まったままの北海道電力泊原発だ。
平成元年に泊原発1号機が稼働し、過疎の村は一変した。村の財政も潤った。牧野浩臣村長(66)は「原発の
固定資産税や交付金収入で公共施設も整備でき、村の借金も半分以下に圧縮できた」と振り返る。
原発が地元にもたらす経済効果も大きかった。原発関連の雇用は村内で約80人、周辺3町村で500人を超える。
原発関係者が利用する民宿や商店、飲食店など関連産業も繁盛した。
だが今年5月、3号機が定期検査に入り、原発の稼働が全て止まると、村は活気を失った。民宿兼食堂を営む
渋田真澄さん(53)は「原発を再稼働してもらわないと困る。今は生殺しの状態だ」と嘆く。
北海道唯一の泊原発に全体の4割の電力を頼ってきた道内の電力不足は深刻だ。先月末には登別市や室蘭市などで
一時5万戸以上に及ぶ大規模停電が襲った。暴風雪による鉄塔の倒壊が原因だったが、電力不足の先にある「危機」の
姿が現実味を帯びた。
「車のヘッドライトを店内に向けて、懐中電灯と携帯電話のライトを頼りに営業を続けた」。最大約3万戸が停電した
室蘭市のコンビニエンスストアの店長、武田真紀さん(41)は電気のない生活がいかに不便か痛感したという。店には
長蛇の列ができ、おにぎりや弁当、電池はすぐに売り切れた。
タクシー運転手、小泉純一さん(64)は「電気のありがたさ、東日本大震災の被災者のつらさが分かった。原発でも
いいから動かしてくれと思った」と話す。
停電が4日間も続いた登別市内はもっと深刻だ。
温泉街の公民館に避難していた田口幸子さん(75)は「これほどつらいとは…」。登別厚生年金病院の高田弘樹
庶務課長(46)は「発電機がいつオーバーヒートするか不安でならなかった」と話した。(>>2-10につづく)
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