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★水説:焼け跡「道連れ」論=潮田道夫
前回、ここで「焼け跡リセット論」を紹介したら、「それいいじゃないか」と言う若者が意外に多いようだ。
これは自民党の安倍晋三総裁らの「リフレ論」に触発された議論だ。
安倍総裁らはデフレ・円高是正のためにはひとびとのインフレ期待を高める必要があると主張する。
そのためには2%の物価目標に到達するまで、日銀に市中の国債を無制限に買ってもらうことにしよう、と。
これに対する批判は、日銀や政府の信用を損なうような政策はよそうということ。
国債管理政策は洗面器に満杯になった水をそーっと次の世代に手渡しているような風情である。
気を散らさない方がいいと思う。
焼け跡リセット論は、そうした緩やかなインフレなどでなくて、ハイパーインフレで国債も預金も無価値にしてしまった方が、
若者にはトクだというもの。金融資産を持っているのは年配者で若者は関係ない。国債地獄から救われるだけずっといい。
しかし、仮に今度ハイパーインフレになったら、お金持ちは国外に資産を移動し、貧しいものだけが老若を問わず苦しむことになるだろう。
若者は「リセット」できず「道連れ」になるだけ、と誰かが言っていたが、それが正解。
引退世代あるいは年金世代はデフレの方が購買力が増えてトクだ。
この世代は政治的大勢力であるから、政治家もデフレ是正を遠慮する。若者の間にはそういう思い込みがあるようだ。
しかし、デフレは不況の結果であり、デフレのために不況になったわけではない。
だから、デフレ退治の金融緩和は基本的に無意味。構造的問題の解決に政治家は注力すべきなのだ。
例えば70~74歳の医療費の窓口負担を2割にすると決めておいて、先送りし続けている。
こういうことをしているから、冗談半分かもしれないが「焼け跡リセット論」がもてはやされる。(続く)
毎日新聞 2012年11月28日 東京朝刊 URLリンク(mainichi.jp)
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