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今年9月、奈良県警察がホームページにて、「働く能力がありながら収入もないのに仕事もせず
一定の住居を持たないでうろついていた男を、軽犯罪法違反で現行犯逮捕」したことを明らかにした。
軽犯罪法とは、罰金以上の刑(※)で処罰するほどではない軽微な社会秩序違反に対して、
拘留または科料の刑を定めた法律のことで、同法1条4号では「生計の途がないのに、働く能力が
ありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」は
処罰の対象になるとされている。
(※編集部注:刑の重さ順に、死刑、懲役刑、禁固刑、罰金刑、拘留、科料となる)
この逮捕について気になるのが、「働く能力がありながら」とは、具体的にどのような基準でもって
判断されるのか、ということだ。収入や住居の有無であれば客観的に判断しやすいと思われるが、
働く能力という表現だとやや抽象的で、人によって判断が異なるように思える。
昨今、働きたいのに職に就けないという人も少なくないとされるが、軽犯罪法が定める「働く能力が
ありながら」とは、就職活動をすれば職に就けるであろう人を対象としているのか、それとも職に
就けるかどうかは別にしても就職活動ができる人を対象としているのか。あるいはそれ以外の判断基準が
あるのか。広瀬めぐみ弁護士に聞いた。
●正社員として就職できなくともアルバイトとしてなら働ける、という人も対象になり得る
「この条項の『働く能力がありながら職業につく意思を持たないもの』とは、病気や身体障害等の理由で
働くことが出来ない人や、就職しようとしても職が得られないであろう人はあたりません。その気になれば、
就職できるのに、怠惰でふらふらしている人は該当する可能性があります。」
(>>2-10につづく)
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