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[人口減社会を考える](中)少子化前提に発想転換を. 松谷明彦 政策研究大学院大学名誉教授
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[人口減社会を考える]少子化前提に発想転換を: 久々に出会ったすばらしい論考
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[人口減社会を考える](中)少子化前提に発想転換を
松谷明彦 政策研究大学院大学名誉教授
財政・福祉、見直し急務 生活費下げ、住宅政策カギ
加えて、そこまで子どもの数が違えば、後世代が前世代を支えるという西欧流の社会福祉は、日本では成り立ち
にくいとの認識も必要となる。社会福祉が袋小路にあるのは、政府が年金という西欧流に固執し、他の政策手段
を持とうとしないからである。
財政もまた同様に、袋小路にある。政府は増税で財政収支を改善しようとし、多くの人もある程度の増税は
必要と考えた。しかしそれは人口増加時代の発想である。
高齢化が急速に進行する時代には、国民1人あたりの財政支出をおおむね横ばいとしない限り、増税で
財政収支を改善することはできない。1人あたり国民所得がおおむね横ばいとなり、1人あたり税収もおおむね
横ばいとなるからである。にもかかわらず政府は財政支出を伸びるに任せ、増税だけで財政収支を改善しよう
としている。
その状況を図1に示した。図の左側が人口増加時代、右側が高齢化時代である。人口増加時代には、
1人あたり税収の増加速度は1人あたり財政支出の増加速度とほぼ同じであった(実質値は1955年からの
半世紀で約10倍)。労働者の人口比率が上昇を続けていたからである。それなら増税は収支改善の手段たり得る。
増税は図の税収のラインを上方に平行移動させることだから、一度の増税で中長期的に収支は改善する。
しかし図の右側では、何度増税しても収支が改善することはない。「ある程度」ではなく際限ない増税地獄となり、
遠からず財政は崩壊する。政府は頭の切り替えが必要だろう。1人あたり財政支出の傾きを国民所得の傾きと
同じにすることが、人口減少時代に必須の財政規律なのである。
(略