12/11/07 12:07:33.88 0
>>2の続き
どこかで聞いたことのあるやり取りではないか。
尖閣諸島の地権者と日本政府との間で繰り広げられた交渉の雛形が馬毛島で行なわれていたのである。
状況が切迫していた尖閣諸島の場合、日本政府は地権者の言い値で買い取ったといわれる。
けれども、馬毛島は違った。日本政府が高値で買い取るはずと踏んだ立石氏の読みは外れてしまう。
2009年、政権が自民党から民主党に変わると、前述したように普天間基地の移設先として馬毛島はさらにクローズアップされた。
当時、取材に当たった大手紙記者の話。
「今回ばかりは交渉が成立すると思われた。防衛大臣(当時)の北澤俊美氏が自ら立石氏との交渉にあたったからです。
北澤氏は防衛官僚がいやがる交渉の矢面に立ち、具体的な金額提示まで行なった。
立石氏もいったんは売却に気持ちが傾いたようです。
しかし、その金額は150億円も島に投資した立石氏側の希望と余りにかけ離れていた。
明らかにされてはいないが、50億円にも満たない金額だったようだ」
尖閣問題によって日中が衝突した後、国防問題への関心が日増しに高まっている。
現在では再び、「賃貸でなければダメだ」と言い出した立石氏と、防衛省との水面下の交渉が続いているという。
そんな中での中国企業からの立石氏へのアプローチに、防衛省は肝を冷やしている。
「立石氏は、途方もない私財を投じているため、いつ中国側に売り渡してもおかしくない」(防衛省関係者)
現在では、防衛省内部に秘密裏に〝馬毛島対策室〟ができ、立石氏サイドの動きを逐一チェックしているという。
ある防衛省幹部が嘆いた。
「外国企業が離島を買うとなっても法的に禁止することができません。
さらに問題なのが日本の法体系の中には買った土地に対する禁止条項がないこと。
個々の自治体による行政上の制約はあるが、安全保障上の規制ではない。
例えば通信施設が作られたとしても、国として強制的に立ち入り調査することはできないんです。
外国企業に島を買い取られた場合、島を日本の監視下におくことは現実的に難しい」
日本政府としては、国防上の綻びを露呈してしまった恰好となった。尖閣諸島だけでは終わらぬ日本の問題がまだそこにある。
※週刊ポスト2012年11月16日号