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”貧困は意思決定に影響する”
Being Poor Affects Decision-Making
「貧困に喘いだことのある誰もが貧しいということがどれほど高くつくものであるかを知っている」
とジェイムズ・ボールドウィンは書いている。彼は代価が高いということを言っていたのであるが、
この名言はAnuj Shahらの研究の仮説でもある。
彼らは、貧困者は多くの場合、貧困からの脱出がさらに難しくなるような行動に出るとし、
その主な理由は貧しさ自体が問題への取り組みと意思決定の方法に影響を及ぼすことにあると述べている。
低所得者は宝くじを買ったり、援助プログラムに申し込み損ねたり、貯金が極端に少なかったり、
巨額の借金を抱えていたりすることが多い。このような行動は、住宅・金融サービスへのアクセスなどの
環境要因や貧困者自身の人格的特徴といった観点から説明されがちだが、Shahらは別の見方を示した。
つまり人は、貧しいと最も緊迫した問題に注意が偏り、それほど切迫してない問題は無視するようになると考えた。
この仮説を検証するために Shahらは、ボランティア被験者にクイズ番組形式で一連のゲームをやらせた。
ゲームでは一部のプレーヤーに他者より多額のお金を与えたり、借金のチャンスを与えたりした。
貧しいプレーヤーほど選択肢により深く集中し、選択にも長い時間をかけるが、ゲームの進行につれて
強い精神的疲労も感じた。また、特にゲームに最も没頭している時には借金の額も増えた。
これは最終的には逆効果であった。Shahらは、貧しい人は特定の出費のために
貯金や借金をすることが多いと結論付け、貧困者の救済には彼らの関心を
将来の特定のニーズに向けさせる政策やプログラムが役立つに違いないと提案している。
また、この研究結果は自由時間といった別のリソースが不足している人にも適用できると述べている。
関連するPerspectiveではAlix Peterson Zwaneがこの研究を考察している。
Science 2012年11月2日号ハイライト
URLリンク(www.eurekalert.org)
Some Consequences of Having Too Little
URLリンク(www.sciencemag.org)