12/11/05 12:40:15.77 0
定年後は「晴耕雨読」「悠々自適」……。そんな夢を打ち砕くのが「リストラ」だ。
現在、リストラは実際どのように行われているのか。そしてリストラに遭ったら、老後をどう過ごせばいいのだろうか。
「私には、小学生や中学生の子どもが3人います。これからどのようにして生きていけばいいのですか……」
「強く生きていけ……」総務課長は苦笑いしながら繰り返した。
伊藤直子さん(仮名・41歳)は昨年5月、社長と総務課長から呼び出され、「今月末で辞めるように」と言われた。
突然の、退職勧告である。全身の力が瞬く間に抜けていく。とっさに子どもたちの顔が浮かんだ。
かすかな力を振り絞り、今後のことを尋ねた。
総務課長が苦笑いをしながら、「強く生きろ」と繰り返す。その言葉を聞くと、悔し涙が落ちた。
社長らは、労働契約を解除する理由を告げなかった。それどころか、「辞表を書くように」と何度も促した。
伊藤さんは、それをかろうじて拒んだ。安易に辞めることはできない事情があった。6年ほど前に離婚し、
いまは3人の子どもを抱え、シングルマザーとして働く。事務職の正社員としてフルタイム(残業は月20時間ほど)で働く毎月の給与は、
手取りで約19万円。年収は300万円に満たない。国から支給される児童扶養手当を含めてやりくりをするが、生活は苦しい。
この会社には、4年前にハローワークの紹介で中途採用試験を経て入社した。それより前の一時期は生活保護を受けることも考えた。
「ハンディがある私を採用してくれたことに感謝していた。だから、仕事はベストを尽くしていた」。
仕事上の大きなミスもなければ、上司とぶつかったこともない。考え抜いたが、辞めざるをえない理由が見つけられない。
放心状態の母親を中学2年の長男が気づかう。「何か、悪いことをしたの?」。下の、小学生の子ども2人は重いぜんそくなどで苦しむ。
風向きが変わったのは、伊藤さんが入社したときの社長が赤字の責任を取らされ、辞任に追い込まれたことだった。
2カ月後、伊藤さんを含む20人近くの正社員が退職勧告を受けた。そのほとんどが「辞めさせられる理由がわからない」と漏らしている。
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