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「パナソニックが年間7,650億円の赤字---」
先週、この速報が流れた時、私はたまたま中国のベテラン外交官と談笑していた。
彼は感慨深げに、こう漏らした。
「松下と言えば、中日国交正常化の後の両国友好の象徴的な企業だった。
当時、中国人が一番憧れていた日本企業でもあった。それがいまや青色吐息なのだから、時代も変わったものだ」
先週、もう1社、決算で注目を集めた日本企業があった。ソフトバンクである。
7~9月決算で営業利益が2,106億円に上り、NTTドコモ(2,084億円)を上回った。
そして、年間の営業利益が7,000億円を突破しそうだというニュースだった。
こちらは朗報であり、中国でも話題を呼んだ。
ソフトバンクは中国では、意味を直訳して「軟銀」(ルアンイン)と呼ばれているが、
孫正義社長はここ数年、よく中国メディアで採り上げられている。そもそも、中国最大のネット販売網会社
アリババが1999年に設立した時、3割を出資したことで知られる。いわば、中国経済の屋台骨を支える
アリババの育ての親なわけで、その意味でいまや松下幸之助より尊敬されている。
孫正義社長は、多分に「中国的経営者」である。すなわち、トップダウン、即断即決、積極果敢、リスクを厭わない、
そして責任を取るという点で、中国の経営者っぽいのである。いまはこのような日本人経営者が、中国人にウケるのである。
マイナスの点を言えば、10月26日に『ニューヨーク・タイムズ』が報じた温家宝一族の2,150億円蓄財スキャンダルで、
「温一族に投資していた」と報じられた企業の中で、唯一名前が挙がった日本企業がソフトバンクだった。
中国でいまウケているもう一人の日本人経営者が、「ユニクロ」の柳井正社長である。
「ユニクロ」の来期の年間売上げが1兆円を突破する見込みだというニュースも、中国で大きな話題となった。
パナソニックもシャープも、いまや中国や台湾から蔑まれる会社に成り下がってしまった。
そして、ソフトバンクと「ユニクロ」が尊敬されている。2者に共通するキーワードは、「顔の見える経営者」である。(抜粋)
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