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パナソニックを一代で築き上げた松下幸之助氏はこんな日が来ると予想していただろうか。
同社が連年で7600億円超の巨額赤字を計上する見通しとなった。わずか2年で1兆5千億円余りが吹き飛んだ格好だ。
「普通の会社とは言えない状態」。津賀社長の言葉が深刻さを物語っている。世界経済の減速や円高など要因はさまざま挙げられよう。
だが最も大きいのは、需要が見込める新興国の消費者ニーズをつかみそこねたことではないか。
日本では顧客単価を上げる戦略もあり、家電の高性能・多機能・高価格化が進んだ。
一方、新興国では機能面で少々劣っていても安価で使いやすい製品が好まれる。
せっかくのハイテク技術も世界市場から孤立する「ガラパゴス化」を進めるだけでは意味がない。
リストラを行った後もグループ従業員数は約33万人。高知市の人口とほぼ同じ規模の「巨艦」企業が、
ライバルの韓国や台湾勢の機動力を生かした攻勢にあえぐ姿が目に浮かぶ。
沈没を免れるには消費者に寄り添うものづくりの原点に立ち返ることだ。
それは「家事の苦労を和らげたい」と、洗濯機や冷蔵庫などを生み出した業界の創業者らの思いにもつながる。
「かつてない困難、かつてない不況からは、かつてない革新が生まれる」「こけたら、立ちなはれ」。
数々の難局を乗り越えた松下氏の言葉が、苦境に立つ多くの日本企業の背中を押している。
高知新聞 2012年11月02日08時22分
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