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鈴置:なぜ、日本しかできないのでしょうか。
伊藤:理由は2つあります。まず、金型の設計力です。
日本には長年、蓄積したノウハウがあります。加えて、
我々は新しく開発された技術を日々、注ぎ込んでいます。
日本から技術移転しない限り、そう簡単に真似できません。
「近道探し」では切り拓く力がつかない
鈴置:しかし、中国にも腕のいい職人はいます。
伊藤:金型が職人芸の世界だった時代は終わりました。組織人が集団戦法で戦う時代です。個人の能力が高いのは当たり前。その上にチームワークや愛社精神、こだわりが要るのです。
経験者が喜んで若い人を教える、という風土がないと強い会社はできません。中韓にそうした風土は希薄です。日本と近隣諸国とはそこが決定的に異なるのです。
鈴置:“追う者”は近道を選べます。
伊藤:“近道”ばかりを探していると、自ら道を切り開く能力は身に付きません。
真似は出来ますが、新しいモノを作り出すという意味で、
近隣諸国が10年や20年で日本に追いつけるとは思えないのです。
設計力に加え、もうひとつは、日本にしかない特殊な加工機械の存在です。
プレスとは金型という“刃物”で金属をたち切る加工方法です。
先ほど「名刀で大根をすぱっと切ったよう」と言いました。金型という“刃物”を研ぎ澄まして名刀を作ることで、
部品の切り口もシャープな断面となるのです。