12/10/28 17:44:55.97 0
>>1の続き
●「起源」や「本場」とは、何だろう? “文化”へのこだわりが対立の種になることも
でも、日本人としては、日本を知らない外国人が海外で提供する「日本料理」に、どこか割り切れないものを感じる。
寿司の起源は日本ではないか。
「起源って、特定できないことの方が多いです。起源をたどることは、いろんな発見の源でもあるし、楽しいです。
でも『ここが起源だ』と決めてしまうのは難しいです」(林氏)
確かに。福岡市生まれの私にとって、豚骨ラーメンや辛子明太子の起源に関する話は、
九州北部と山口県の一帯に長年続く宗教論争のようなものだ。
「たとえば長崎のチャンポンは、明治時代に中国の福建省から長崎にやって来た陳平順という料理人が発案したと言われていますが、
では、チャンポンは長崎料理なんでしょうか? 福建料理なんでしょうか?」
その福建省には、もともと似たような料理があったのだろうか?
「チャンポンの元とされる麺は、福建料理に、あるにはあります。でも、チャンポンがその料理かというと、そうとも言い切れないんです。
まず、同じ材料が手に入らないわけですし。野菜一つ取っても、水分量や風味が違います。
調味料は輸入できても、野菜の輸入までは、コスト面から無理なことが多いでしょう。すると『本場』の味の再現は難しくなります」(林氏)
違うのは食材だけではない。気候も違う。その土地の気候で美味に感じられる料理が、別の気候でも同様に美味であるとは限らない。
「料理を含めて、文化一般を楽しむために、『本場』はアリだと思います。
でも、どこまでが『本場』で、どこまでの違いが『本場の味』として許容できるんでしょうか?厳密な意味で『本場』を定めるのは無理です」(林氏)
でも、日本人としては、日本料理も日本文化も大切にしたい。
「だから、それはそもそも、特定できないものです。『韓国料理』『中国文化』と同じです。
特定できない『文化』へのこだわりが対立を生み出すことには、注意する必要があると思います」(林氏)
(以下略)
ダイヤモンド・オンライン URLリンク(diamond.jp)