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軍事転用される恐れがある炭素繊維が、大阪府内の商社から
中国に不正に持ち出された疑いがあることが捜査関係者などへ
の取材で分かった。炭素繊維は外為法で輸出が規制されており、
外為法違反や詐欺の疑いも浮上。捜査関係者からは「戦闘機に
使われれば、燃費など中国の軍事レベル向上につながりかねな
い」との声も上がっている。
関係者などによると、戦闘機の機体に転用したい中国軍事関
係者が最新鋭旅客機「ボーイング787」の機体にも使われる
東レの最先端の炭素繊維を入手するよう、大阪府内の商社に依
頼。平成21年8月に、この商社が約1キロの炭素繊維を経済
産業省の許可を得ないまま、中国に持ち出した疑いがあるとい
う。
この商社は東レと取引実績がなかったため、静岡県内のベン
チャー企業に東レの炭素繊維約2トンを2千万円で入手するよ
う依頼。ベンチャー企業は「工場で生産する水素発生装置のボ
ディーに使う」などと東レ子会社に虚偽説明を行い、サンプル
約1キロを確保した。商社はその後、中国側に炭素繊維を手渡
したとみられている。静岡県警は捜査を行い、同様の事実を把
握している。
東レは社内調査などの結果、「詐欺行為の被害に遭ったこと
は把握しているが、商社が中国側に対し、低品位の炭素繊維を
最先端のものと偽ったのではないか」(首脳)としている。大
阪の商社は「特にコメントすることはありません」としている。
【MSN産経】
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