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>>1より。
◆テロ容疑者までも悪用
今月6日、国際テロ組織アルカーイダと近い関係とされ、米国からテロ容疑で指名手配されていたイスラム過激派指導者、アブ・ハムザ・マスリ受刑者
(54)ら計5人が米国に身柄を移送された。
異教徒殺害を扇動していたテロ容疑者は、「米国の人権違反」を欧州人権裁判所に訴え、身柄引き渡しに応じないよう求めていた。その法廷闘争に8年
もの歳月と数百万ポンドの費用がかかったのは、皮肉としか言いようがない。
英国のキャメロン首相は追放に歓迎の意を示し、こうした事例への対処法を今後改善することを約束した。
だが、欧州人権裁判所は今年、2001年の米中枢同時テロの実行犯に影響を与えたとされ、05年から英国で収監されていたヨルダン人のイスラム
過激派説教師、アブ・カタダ師(51)の送還を差し止める判決を下し、今月13日、同師は刑務所から釈放された。「ヨルダンでは公正な裁判が受け
られない可能性がある」というのがその理由だ。人権のよろいをまとったテロ容疑者たちとの戦いは容易ではない。
◆寛容政策のジレンマ
ましてや、英国生まれの子供たちを持つ不法移民たちを強制送還するのは事実上、不可能だ。
英オックスフォード大学の移民・社会政策センター(COMPAS)が今年5月に発表した報告書では、強制送還が「約12万人とされる不法移民の子供
たちの人権を踏みにじるもので、社会も子供も彼らの家族も誰の利益にもならない」と指摘。「政策決定者がこうした子供たちの法的地位を確立すること
が重要だ」と提言している。
増大する不法移民は英国だけでなくドイツやフランスでも、多かれ少なかれ社会問題となりつつある。一方で、人権は欧州が最も重視する価値観であり、
不法移民にも寛容政策をとらざるを得ないジレンマを抱えている。
「5年前には、この問題は話題にもならず、誰も関心を示さなかったが、風は大きく変わった」。前出の花婿氏はこう強調した。
欧州はいまだ出口の見えない債務危機の中、このまま「人権」に押しつぶされるのか、あるいは「人権」の中身を問い直すときがくるのか。英国を含む
欧州の移民国家の苦悩には続きがありそうだ。(ないとう やすお)
以上。