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★時代を駆ける:大竹美喜/9止 次は日中韓の懸け橋に
◇YOSHIKI OTAKE
若い方に言いたい。自分が何のために生まれてきたのか。どんな仕事をすれば社会の役に立つのか。それを逃げずに真正面から求めてほしい。
私はその自分探しに30年以上かけました。遠回りしているようで実は一番人生の近道だったんです。
《米国型競争主義、キリスト教的ボランティア精神を武器に規制との闘いに勝ち抜いてきた大竹さん。「これから先はどんな自分を探すのか?」と聞いてみた》
懸け橋です。中国、韓国との関係を改善したい。私ごときの仕事ではないかもしれません。だけど、それが今の私の使命だと思っている。
日韓の交流を進めています。実際に彼らから学ぶことは多くある。全羅南道の長城郡という人口5万人の自治体の「教育町おこし」がその一つです。
長城アカデミーと名付けた公務員向け勉強会を毎週1回、住民向け市民大学を月に数回、それぞれ95年から17年続け全国から一流の講師を呼んで勉強させた。
継続は力なりです。結果的に一流企業を200社も誘致、町の雇用も所得も引き上げた。私も昨年東京都内の若手経営者を連れて現地を訪問してきました。
中国とは経済界の人間が懸け橋になればいい。すでにビジネスリーダー間の交流の仕組みはあるのですが、
日本青年会議所と中国共産党青年部の若い層にも広げたい。
何も欧米的価値観を否定するわけではありません。ただ、物質文明、経済至上主義の限界が出てきた。私は足るを知ることだと思うんです。
知足の精神。東洋文明を見直す時代。日本人の思想哲学が生きる時代です。
日本はもっと自信を持つべきです。戦後67年間に日本の先輩たちが世界から尊敬されることをやってきた。
敗戦から経済大国になり、公害問題を真っ先に処理、石油ショックも乗り越えた。そして、世界一の長寿国。家庭や学校で、そういうことを教えてほしい。
宿命に生まれ、運命に挑み、使命に燃える。一木一草を師として仰ぐ。私の好きな言葉です。
いま73歳ですが、80歳、90歳、100歳に向けての新たな夢、自分探しの計画を整理中です。=大竹さんの項おわり(>>2-3)
毎日新聞 2012年10月20日 東京朝刊
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