12/10/15 20:24:40.63 KbjqwLG80
ところで、携帯小説書いてみたから読んでくれ
ハマのサテンでナオンと待ち合わせたオイラは、10分程遅れて到着した。
窓ガラスから店の中を覗くと、ナオンは既に椅子に坐って待っていた。
「ヒュー」
思わず口笛を吹いた。相変わらずマブイ。
カランコロンカラン、コロンカランコロン。
「レスカ、ガム抜きでな」
マスターにそう声を掛けて、オイラは席についた。
「オマエ、何頼んだの?」
「レイコー」
ぶっきらぼうに答える。
「アイスコーヒーとガムシロ抜きのレモンスカッシュです」
ウェイトレスが苦い空気に割って入った。
「ほら、生きてるぜ」
クシャクシャになったストローの袋に水を掛けながら言った。巷で流行ってる遊びだ。
「タカシが死んだよ」
ヨーコが言った。
「峠で事故ってさ、即死だって」
「・・・」
「アイツの走りって、まるで死に急ぐような
命を削ってる走りだった。だからアタシは
ずっと止めさせようと思ってたのに、
そうする前にいってしまった」
ヨーコがタバコに火をつけた。
ホープ。ナオンの癖にキツイタバコだ。
ホープ。希望。嫌な言葉だ。希望なんてのはどん底の奴が持つものだ。
希望の無い奴だけが希望を持てる。ヨーコの吐き出す紫煙を吸って、オイラも
タバコに火をつけた。
わかば。安くて旨いタバコだ。俺達はまだ若い。それは希望なのか?オイラにはわからない。