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森口氏は1993年に東京医科歯科大を卒業し、看護師の資格を取得。同大学院で保健学修士を取得した後、
医療系の財団法人や、東大先端科学技術研究センター、東大病院を転々とした。医師ではなく、
肩書は常勤・非常勤、客員・特任などとめまぐるしく変わった。
センターにいた99~2010年のうち、常勤だったのは知的財産法が専門の特任助教授の4年間だけ。
最後の1年間は雇用関係がない無給の交流研究員だった。当時の同僚は「森口さんは医療統計の専門家。
実験している姿は見たことがない」。
今回、臨床研究の共同研究者として名前を使われていたのも、センターの同僚だった。井原茂男特任教授は
「森口氏は一生懸命でいつも新しいことを追求するタイプ。彼の口から何も聞いていないので、
早く説明してほしい」と苦笑いを浮かべた。
東大病院では、形成・美容外科の実験を手伝う非常勤の技術補佐員から、現在は常勤の「特任研究員」。
特定の研究のために雇われる研究員で、研究代表者の権限だけで決められる。森口氏の場合は形成・美容外科の助教が決め、
同科の上司たちは「森口氏の存在を知らない」としていた。東大病院広報は「現在、特任研究員が何人いるか不明」という。
千葉県市川市の住宅街にあるアパート。森口氏は家賃6万円あまり、築数十年の1Kに十数年来、1人で暮らしているという。
大家の70代女性は「もしウソをついていたなら、なぜすぐ分かるようなことをしたんだろう」といぶかった。
数年前には「東大教授になりました」と聞いていた。えらい先生でもこんなところに住むんだ、と不思議に思った。
そして、今回の騒動。「何かウソをつく必要があったのか。いろいろ考えると心が痛みます」