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★ニュースの匠:自民党の「右翼」化=鳥越俊太郎
◇次の選挙、カギに
先日の日曜日、TBSテレビの「サンデーモーニング」をぼんやり眺めていました。日曜朝ですから、まだ十分に目覚めていない頭なんですね。
でも、この人の発言にはオヨヨ、と思わずテレビ画面にくぎ付けになりました。「自民党はずいぶん幅の狭い政党になったもんですねえ。保守の中の右翼ばかりだ」
河野洋平さんが話題にしているのは自民党総裁選の5人の候補のことです。順不同で並べておくと、安倍晋三、町村信孝、石原伸晃、石破茂、林芳正の各氏です。
私が「うん、河野さん、よく言った!」と思わずひざを打ったのは、国民・有権者が今回の総裁選全体に漂う、
そこはかとなきある種の空気を感じていると思っていたからです。
5人の候補はいずれも異口同音に主張しました。「集団的自衛権の行使を認めるべきだ」
安倍さんはさらに一歩踏み込んで「国防軍をつくる」と言い、確か石破さんも同様のことを発言されていたのを記憶しています。
尖閣諸島の問題で日中間が険悪な状態になっている折から、なんとも勇ましく、心地よい響きになりそうで心配ですね。
河野さんがあえて“右翼”と5人の候補を断じたのも、自民党の歴史を知る者には当然に映ります。
というのは50年以上にわたる自民党政権下では、憲法9条の精神に照らして「集団的自衛権は保有するが、これは行使しない」
という解釈を守り通して来られたからです。もちろん、自民党の中の一部タカ派=右翼的傾向の政治家はこれに抵抗してきました。
しかし、自民党政権期間中はどういう政治家が総理になってもこの「集団的自衛権は行使しない」という基本方針は守られてきました。(>>2-3へ続く)
毎日新聞 2012年10月06日 東京朝刊
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