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★NHKと民放の差は、官と民の違いではなく、有料放送と広告放送の違い
池田信夫 週刊東洋経済 2006/4/8
問われる「公共放送」の存在意義
これに対してNHKは、「有料放送になれば、見てもらえる番組中心に放送することになる」
(原田豊彦放送総局長)と主張する。これまでNHKの民営化が国民的な支持を受けるに至らなかった
最大の原因も、この点にある。NHKを民営化すると、今の民放のように視聴率優先の低俗な
番組ばかり放送するようになるのではないか、という懸念をもつ向きは少なくないだろう。
しかし、NHKを有料放送にしたらどうなるかという「実験」は、すでに16年以上にわたって行われている。
NHKの衛星受信料は、衛星のアンテナを立てている人だけから取る、事実上の視聴料だが、
これによって番組の質が落ちたという批判は聞かない。むしろ、その番組は良くも悪くも「NHK的」
である。NTTが民営化から20年以上たっても「NTT的」であるように、いったん高いブランド・イメージが
できると、それを守るインセンティブが働くからである。
民放の番組の質が低いのは、無料放送で広告収入に依存しているため、視聴率という1次元の
評価基準しかないことが原因である。普通の市場経済では、価格によって質×量を評価するが、
無料放送の場合には番組の質の評価は反映されず、むしろだれにでも漫然と長時間見られる
内容の薄い番組の視聴率が高くなる。
つまりNHKと民放(地上波)の差は、官と民の違いではなく、有料放送と広告放送の違いなのである。
民放でも、スカパーのような有料放送では、各チャンネルごとの個性が打ち出され、地上波のような
万人向きのバラエティやワイドショーはほとんど見られない。
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