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『NHK不要論⑥』
NHKのタブーは政治以外にもある。
私自身はもちろん先輩同僚も含めて何度も取り上げようとして、ストップをかけられる
番組テーマがあるのだ。それは家電のディスカウントである。
NHKでは家電の安売りに関する番組は制作してもまず放送はできない。
過去に私も含めて何人ものディレクターや記者がこのテーマの取材をした。
私の場合は家電メーカーが不利になる番組を取材していると、家電メーカーが作る
業界団体『家庭電化製品協議会』がNHKに放送しないように圧力をかけてきた。
当時の上司がさらに上司である局長から放送禁止を迫られたという。なぜこの団体が
NHKに対して強い態度をとれるのかと問い詰めると、NHK営業総局からの要請と
答えが返ってきた。家電協にはNHKからの天下りが理事に入っており、長年小売店で
テレビを購入した顧客名簿を受信料の新規契約のため提供を受けてきた義理があるからと
説明された。
この「家電ディスカウント番組放送禁止事件」が後に私がNHKを辞める理由のひとつになった。
私はジャーナリズムにタブーはあってはならないと考える。
問題は実際に圧力がかかって放送できないこともさることながら、どうせこんな番組作っても
上司から睨まれるだけと『自主規制』してしまう風土だ。
昨今もNHKの従軍慰安婦の番組が政治家の圧力によって内容が変わったか否かという
議論がなされたが、私はNHK内部にいくつもタブーがあり『自主規制』の風土があること
のほうが恐いし、もはやそんな組織はジャーナリズムとして数えるのはおかしいと考える。
Posted by 西村 晃 on 6月 13, 2005
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