12/10/05 16:26:48.04 0
・中国の“世論”が日本に対する経済制裁措置としてレアアース(希土類)の輸出規制に乗り出すよう政府に
迫っている。中国メディアは、2010年9月の中国漁船衝突事件後の輸出規制で日本の産業界が右往左往した
経緯を挙げ、あおっている。
だが、ことレアアースに関して輸出規制に踏み出せるかどうか微妙な情勢だ。状況が2年前とは一変しているからだ。
安価な中国産レアアースに頼り切っていた日本の産業界だったが、2年前のチャイナリスクへの反省から足腰を鍛えた。
対中依存度を引き下げようと日本企業は、レアアースを使わない製品やレアアースのリサイクル技術を続々と開発した。
この結果、中国の対日レアアース輸出量は11年に前年比34%減となり、今年も大幅な減少傾向にある。日本企業も
「やればできる」ことを証明した。しかもオーストラリアなどからの供給が本格化し、中国産の需要はますます減っている。
国際社会の監視も厳しい。WTOは、中国のレアアース輸出制限措置をめぐる日米欧の提訴を受け、8月に調査の
開始を決定。直後に訪中したメルケル独首相に温家宝首相は、レアアースの輸出抑制は行わないと言明している。
中国は今年のレアアース輸出枠を昨年比横ばいの3万966トンに設定したが、業界関係者は「輸出量は枠に
達しない可能性もある」とみる。欧州債務危機を背景に欧米への輸出が振るわず、中国の今年上期のレアアース
輸出総量は43%も減少した。中国のレアアース業界は軒並み大幅に減益している。輸出不振に加え、国内での
過剰生産と在庫増大によるレアアースの価格下落も、中国にとっては大きな“誤算”だった。
中国国内の業者は在庫を解消しようと、減産や生産停止に追い込まれている。業界関係者によると、中国の業者は
「日本企業にもっとレアアースを調達してもらいたい」などと取引拡大を懇願してきているという。
こうした状況下で中国政府が対日経済制裁として輸出規制に踏み切れば、日本を有力な輸出先とする中国企業が
逆に打撃を被る。WTOによる調査も進む中で、「対抗措置の手段にレアアースを利用すれば中国は再び国際的な
非難を浴びる」(日中関係筋)のは確実だ。(抜粋)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)