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★幻獣国
鳥なのに人面で、曲がったクチバシにはノコギリのような歯が生えて、身は蛇というから恐ろしい。昔、そんな怪鳥が京都御所の上空に現れ、
「イツマデ、イツマデ」と不気味に鳴いたという。「太平記」(巻第12)が伝えている
▼ある時はヘリコプター、またある時は飛行機として振る舞う米軍の怪鳥は「ジャマダ、ジャマダ」と傲然(ごうぜん)とがなり立てているかのようだ。
幼稚園児は身を縮めて空を見上げ、お年寄りの男性は怒りをかみ殺して言った。「押しつけ続ける国とは、いったい何なのか」―
▼圧倒的反対の声を踏みにじり、輸送機オスプレイが普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備された。
同じ日、電源開発(東京)は大震災で工事を中断していた大間原発(青森県)の建設を再開した。こちらも対岸の住民の異論を
「ダマレ、ダマレ」とばかりに無視した
▼空には墜落の恐れのある怪鳥が舞う。地では暴走した炉の後始末がついていないにもかかわらず、新たに炉を切ろうとする。
この国は百鬼が横行し、人々をおびえさせた中世に逆戻りしているのか
▼「太平記」の怪鳥は後に「以津真天(いつまでん)」と呼ばれた。水木しげるさんの「日本妖怪大全」には<飢饉(ききん)や旱魃(かんばつ)、
動乱などで苦しめられた人々が、見捨てた仲間の恨みに心を痛めるときに現れる>とある
▼「イツマデ、イツマデ、コンナコトヲ」。どこからか、声がする。2012・10・3
北海道新聞
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