12/10/03 06:08:27.38 nkhE1U6+0
このままでは日本はいつまでたっても情報社会の孤児である
情報機関には、国益のために諸外国に対してさまざまな圧力を加えたり、
宣伝したりするというもう一つの作業があります。「アクティブ・メジャーズ」と
いわれる積極工作を行っていく。それが第二の仕事です。ただ情報を集めるだけで、
「アクティブ・メジャーズ」が行えないというのでは情報機関とはいえません。
そして第三は「カウンター・インテリジェンス」です。これは情報機関に外国のスパイなり
何なりが浸透してくることに対して、どう防衛するかということです。
「インテリジェンス」と「アクティブ・メジャース」と「カウンター・インテリジェンス」の
三つがそろって、はじめて一人前の情報機関といえるのです。
さらにいえば、「カウンター・インテリジェンス」の基本になるのは
「スパイ防止法」です。「スパイ防止法」がなければ、情報機関をつくっても
何にもなりません。この二つはセットになるのです。
どこの国にも他国には知られたくない情報というものがあります。その情報を取られると、
国の企図や機密工作が知られて国益に甚大な被害をもたらす。だから必死で守ろうとする。
そしてそのために、どこの国でも厳しい防諜体制を敷いています。
ところが日本では「スパイ防止法」という段階で反対される。基本的人権の侵害だとか
言論・表現の自由が制限されるとか言って、マスコミがこぞって反対する。スパイの
ほとんどは外国大使館の書記官や駐在武官なので、外交特権を持っています。スパイ活動を
取り締まる法律がなければ逮捕もできません。だから日本は「スパイ天国」だと世界から
笑われているのです。
スパイ防止法も秘密保護法もない国の情報は筒抜けです。裸でいるようなものです。
実際、内閣情報調査室などの情報はロシアに筒抜けでした。それでは外国は
全然信用してくれません。そんな国に機密を漏らしたら、あっという間に抜かれてしまう。
だから、どこの国も日本に対して特別な情報など教えてくれません。こんなことでは、
日本はいつまでたっても情報社会の孤児のままです。
( 『この国の不都合な真実 - 日本はなぜここまで劣化したのか?』 徳間書店 )