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半導体や液晶テレビなど、かつての得意分野で日本企業の“衰退”ぶりが深刻だ。経営判断の誤りや円高に加え、成長源となる技術情報が流出、
競争力を失ったのも一因と指摘される。こうした中、新日製がライバルの韓国ポスコを訴えた異例の裁判が近く東京地裁で始まる。
政府もようやく対策に乗り出し、「産業スパイ天国」と呼ばれる惨状の立て直しを目指す。
■巨額訴訟
「技術は、もともとは新日鉄のものだ」。2007年10月に始まった韓国・大邱での刑事訴訟で、
ポスコの機密情報を中国メーカーに流したとされるポスコ元社員が衝撃的な証言を行った。
日本から盗み出された情報が韓国経由で中国にも渡っていた-。国際的な企業間競争の“闇”の部分であるスパイ行為の一端が明るみに出た。
焦点となったのは「方向性電磁鋼板」と呼ばれる製品の製造技術。電力インフラに欠かせない変圧器の心臓部である「鉄心」に使われ、
技術の粋を凝らした“鉄の芸術品”ともいわれる。かつて新日鉄の独壇場だったが、05年ごろからポスコの製品技術が急激に向上。
11年のシェアは新日鉄の約3割に対し、ポスコが約2割と猛追している。
提携先でもあるポスコの“背信”を新日鉄は許さなかった。製造技術を新日鉄から持ち出したとされる元部長級社員の自宅から、
ポスコとの通信履歴などの証拠を裁判所を通じて確保。不正に入手した情報を基に同品質の製品を造ったとして今年4月、
ポスコなどに約1000億円の損害賠償と製造販売の差し止めを求める訴訟を起こした。
ポスコは徹底抗戦する構えで、日韓トップ企業による激しい法廷闘争が繰り広げられそうだ。
■安い買い物
「あなたの持っている技術を売りませんか。数億円を支払う用意があります」(>>2-3)
zakzak 2012.10.02
URLリンク(www.zakzak.co.jp)