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日中国交正常化交渉に、外務省中国課長として尽力した橋本恕(ひろし)氏は、服部龍二中央大学教授の
インタビューにこう語っている。
▼「角さんも大平さんも、あの当時の日本人の一人として、中国に対してね、ずいぶん中国人をひどい目に遭わせたという、
いわゆるギルティ・コンシャスネス(罪の意識)を共通に持っていました。一番強烈なのが大平さんだった」
▼甚大な危害を中国に与えたことに、罪の意識を持つ日本人は当時、多かったが、大平正芳外相にはその傾向が顕著だったという
(服部龍二著『日中国交正常化』中公新書)
▼自民党内は親台派と北京派が激しく対立。揺れていた田中角栄首相の背中を押したのは大平外相だった。
「二つのリーダーシップが共振して官僚たちを使いこなしたとき、ようやく国交は樹立された」
▼日中国交正常化からきのうでちょうど四十年。尖閣諸島の国有化をめぐって、戦後最大の危機に直面する今、原点を考えてみる。
日清戦争で巨額の賠償金を払った中国は日中戦争での賠償金請求を放棄した。強い反日感情が残る民衆を「日本人民も被害者」
「賠償金は日本国民の負担になる」という理屈を立て、説得した。
▼先人たちの覚悟と知恵から学ぶ必要がある。互いに欠かせない隣国である以上、新たな関係を築く努力を重ねるしかない。
政治だけでなく、日中の国民が試されている。
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