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【北京=大木聖馬、竹内誠一郎】中国国防省は25日、中国初の空母「ワリャーグ」が「遼寧」の艦名で正式就役したと発表した。
中国は、現時点で北東アジアで唯一、空母を保有する国となった。
国営新華社通信によると、停泊先の遼寧省大連で同日行われた式典には軍幹部の他、
胡錦濤(フージンタオ)国家主席や温家宝(ウェンジアバオ)首相も出席した。
艦船就役を祝う式典で党、政府、軍の指導者が顔をそろえるのは異例。
尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る日本との対立が続く中、海軍力増強を重視する共産党指導部の姿勢を印象づけることで、
南シナ海で緊張関係にある周辺国などにも圧力を強める狙いとみられる。
式典で温首相は、空母就役が「軍現代化のレベルを引き上げ、国防力と総合的な国力を増強し愛国の熱情をかき立てる」と意義を強調した。
遼寧号は、ウクライナで建造途中だった船体を中国が引き取り、補修した。全長約300メートル、排水量約6万トン。
艦載機約50機が搭載可能とされるが、中国軍は空母は「訓練用」だと強調している。
配属先は、南シナ海を管轄する南海艦隊(司令部・広東省湛江)か、黄海を管轄する北海艦隊(同・山東省青島)が有力視され、
米国を過度に刺激しないためにも東シナ海での活動の可能性は低いとみられる。
ただ、軍関係筋は「日本に対しては、就役しただけでも脅威となる」と指摘している。
(2012年9月26日01時18分 読売新聞)
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