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中国軍事研究家・平松茂雄 中国の目は既に太平洋の彼方に
産経ニュース2012.6.12 03:24[正論]
北大西洋条約機構(NATO)側の呼称で「バックファイアC」といえば、ロシアの長距離爆撃機Tu-22M3
のことである。その生産ラインの中国への売却が、長期にわたる商談を経て、15億ドルの価格で決まった
ようだ。同爆撃機は、中国では「轟-10」(H-10)と呼ばれる。2年前の5月、米議会の政策諮問機関、
「米中経済安保調査委員会」が開催した公聴会で明らかにされた。
≪戦略環境変える長距離爆撃機≫
冷戦終結に伴って、中国はロシアとの関係を対立から急接近へと転換し、98年にTu-22M3爆撃機の
購入を意図した。だが、ロシアは、東アジアの軍事バランスを著しく崩すという理由で、この爆撃機の売却を
拒否したとされる。今回のロシアの方針転換の背後に何があるかの詮索はおくとして、中国軍の航空戦力が
向上すれば、何よりも東アジアの安全保障環境に大きく影響してくるから、関心を持たずにはいられない。
「バックファイアC」は、来年後半に試作機が完成する予定だ。エンジンを除く部品は、中国で作られる。
第1陣として12機、第2陣として24機、合計で36機が実戦配備される計画だという。
目下、世界最速の遠距離戦略ミサイル爆撃機とされ、通常爆弾と核ミサイルを搭載する。
作戦行動半径は約2880キロといわれるから、中国大陸を発進して、南シナ海、東シナ海ばかりか、
西太平洋海域で行動し、米空母戦闘群の行動を抑制できるという。空中給油が可能だから、作戦行動半径はさらに伸ばすことが可能だ。
≪空母保有を想定した演習も≫
中国軍は、「空母キラー」と呼ばれる地上発射対艦弾道ミサイル「東風21-21D(DF-21D)」による
抑止力をすでに有している。それに「バックファイアC」が加われば、米海軍をにらんだ「接近阻止・領域拒否」
(A2AD)戦略にとり大きな力となる。