12/09/18 19:04:02.06 scXH1qhDO
>>621の続き
■8.中国経済の実像
残された道は、国民が豊かになって、国内消費が伸び、それが投資と国内生産を押し上げて、
さらに国民を豊かにするという善循環を実現していくことである。
それこそが日本が高度成長を成し遂げたプロセスであった。
三橋氏は「日本経済は輸出依存で成長した」とする見方をデータで否定している。
高度成長期を通じて、輸出はGDPの1割程度であり、民間最終消費は常に6割の水準にあった。
池田内閣の「所得倍増政策」により、民間消費と投資が両輪となって長期間の健全な成長が維持できたのである。
しかし、現在の中国経済は高度成長を迎える前の日本経済とは、似ても似つかぬ実態となっている。
まず中国の輸出のDGP比率は、2009年で26%、ピークの2006年では39%もあった。
すなわち、輸出依存度で言えば、日本の2.5倍から4倍という「超輸出依存型」である。
また個人消費は2000年まではGDPの45%ともともと低い段階であったのが、
2009年には35%まで下がってしまった。
逆に投資は2000年が34%で、2009年には46%にまで上昇した。
政府の公共投資と不動産バブルの影響である。
民間最終消費が異常に低いのは、社会に構造的な問題があるからだ。
まず年金制度が未成熟である。中国の年金は「養老保険」と呼ばれているが、
その加入率は、3億人を超える都市部労働者で半分強、
4億7千万人の農村労働者では1割程度しかない。
老後のため、せっせと自分で貯金するしかない。
医療保険も未整備である。中国で所得最高水準の上海での可処分所得は月2万円程度だが、
病院の平均医療費は診療1回当たり約6千円。一回、
医者にかかると、月収の三分の一近くがふっとぶ。