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「昇進する」という言葉からもわかるように日本は出世することを下から上に行くイメージでとらえる。
だがスペイン語だと「遠いところに行く」と言うのだそうだ。タテ社会の日本とヨコ社会の欧州の違いがこんなところにも顔をのぞかせる
▲対人関係をヨコではなくタテで考えるのは東アジアに共通する特徴かもしれない。
李鍾元・早大大学院教授が先日の新聞のインタビューで「欧州は主権国家を水平的にとらえる。東アジアは序列でものを考える」と語っていた。
昨今の領土騒動にもそんな意識がちらつく
▲中国では反日デモにあきたらず一般の日本人を襲う事件まで起きた。世界第2の経済大国になった自信からか、
日本を下に見て何をやっても許されるかのような歴史のうっぷん晴らしが蛮行の根っこにあるなら厄介なナショナリズムだ
▲中国が他を圧する大国だった東アジア史は近代日本の台頭で秩序が激変し、今また中国の興隆で力関係が揺らいでいる。
東アジアはまだ序列意識から抜けきれない垂直社会だ。欧州のように相手とのかかわりを相対的にとらえる水平社会の余裕はない
▲その欧州も長い歴史の中では無益な戦争を繰り返し、ナショナリズムをあおる政治指導者が喝采を受ける時代があった。
欧州連合(EU)という形で平和が制度化されるまでには気の遠くなるような努力と時間が必要だったのである
▲東アジアもいつかはタテ社会がヨコ社会に変わるだろう。なぜならそれは争いをなくすため人間が生み出した英知だからだ。
互いに尊重しあい多様な意見が押し殺されない成熟した東アジアの未来図が描ける日を夢想する。
毎日新聞 2012年09月18日 00時49分
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