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視聴者を見くびった「ニュースウオッチ9」
2012年9月16日（日）13:00
ニュースは五輪番組の「コマーシャル」か
番組表をロンドン五輪関連番組が埋めていた7月31日、NHK「ニュースウオッチ9」は
そうした番組編成のなかに埋没してしまった。既視感たっぷりの録画映像を反復しながら、
資料映像を交えたり、スタジオトークを弾ませたりして、ロンドン五輪を40分以上も引きずっていたのだ。
「東日本大震災から初めてのオリンピック」といった陳腐な言葉のやり取りに、
メダルが獲れずに終わった種目の反省や、メダル獲得へ向けた予想とも期待ともつかないトークが連なる。
他のニュースでは「台風情報」「熱中症と夏場に多い脳梗塞への注意」「いじめ対策に求められるもの」、
そして30秒ほどの「水俣病救済申請きょう締め切り」がコマーシャルのように流れていった。
「報ステ」の五輪は「NW9」の半分
同じ夜のニュース番組で「NW9」と好対照をなしたのは、テレビ朝日「報道ステーション」だった。
「オリンピック以外のニュースは20分くらいが経過してから次々とお伝えします」という古舘伊知郎の前置きで番組が始まる。
五輪ニュースは、「仕事で見ていられなくて、帰ってから見ようというかた向け」だと愚直に説明された。
約束どおりに20分過ぎからは五輪以外のニュースが、それぞれに相応の時間をかけた映像や音声の流れとなって現れた。
東電国有化をめぐる問題が伝えられる。これに関連するニュースが、反原発デモの市民グループと国会議員との初会合である。
「愛知県小牧市の娘と母の殺害事件」「他の被災県に比べてボランティアの人数が圧倒的に少ない福島県の現状」がつづく。
そして「つぎのニュースは変わりますが、どこか通底しています」という古舘の語りで「水俣病“救済”申請締め切り」が伝えられた。
（続く）
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