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反日デモ:そこは廃虚の町 破壊された蘇州の繁華街
毎日新聞 2012年09月15日 23時36分(最終更新 09月16日 00時51分)
暴徒化したデモ隊に破壊された日本料理店の入り口を確認する店の関係者。
木板でふさいだ入り口には中国国旗が張られていた=中国江蘇省蘇州市内で2012年9月15日、隅俊之撮影
【蘇州(中国江蘇省)隅俊之】そこは廃虚の町になっていた。焦げ臭いにおいも漂う。
500社以上の日本企業が進出する中国江蘇省蘇州市の高新区にある繁華街。
数百メートルの通りに連なる飲食店のうち、9割近くが日本料理店や日本人相手の飲食店だ。
その計約40軒のすべてで、ドアが破壊され、ガラスが路上に散らばっていた。
蘇州では15日午前から数千人が高新区などで、抗議行動をした。
普段は仕事を終えた日本人でにぎわう通りだが、現場にいるのは破壊された店を見物する中国人だけだ。
興奮冷めやらぬのか店の前で中国国旗を手に記念撮影をする人もいる。
一部の店は略奪もされたとみられ、店内の床には日本酒の酒瓶などが無残に転がる。
「釣魚島は中国のもの。祖国万歳」。暴徒たちが張ったのか、ドアというドアには、
暴徒たちの“達成感”を示すかのような張り紙が張られていた。
店員らによると、破壊された店のオーナーはほとんどが中国人。
さらなる略奪を避けるために中国支持を訴えようとしているのか、中国国旗を入り口に張っている。
ある店の関係者は「狙うべき相手は私たちじゃないだろうに」と漏らした。
デモの暴徒化について、中国版ツイッター「微博」では批判的な意見も出ている。
湖南省長沙で高級ブランド品や貴金属を奪われた事態を「組織的に全員がマスクをして金属パイプを持ち、
他の人が奪おうとすると殴っていた。動物の世界でもこうした行為の先例はないだろう」と書き込まれた。
日本企業などに対する襲撃には「頭に血が上った状態で行動していては、他の国の笑いものになる」と訴える声もあった。
(続く)
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