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戦時中の1943（昭和18）年に十和田湖に不時着水して沈んだ旧陸軍の「一式双発高等練習機」
とされる機体の引き揚げ作業が5日朝から十和田湖畔宇樽部地区の造船所で本格的に始まり、
同日午前10時すぎに尾翼など機体の一部が69年ぶりに湖上に姿を現した。
引き揚げ作業は同日午前9時ごろから始まった。湖岸から150メートル先の湖上に係留された
台船から水中につり下げられた機体のうち、一部をダイバーがエアバッグで水面まで浮上させ、
大型クレーンなどを使って陸地に揚げた。
午前9時40分ごろにタイヤ2本が引き揚げられたのに続き、同10時10分ごろには尾翼の一部が水面
から姿を現した。ジュラルミン製のグレーの機体はところどころ腐食しているものの、原形を
しっかりとどめ、所属部隊を示す赤色のマークも確認できた。同10時40分ごろにはプロペラが
ついたエンジン2基も引き揚げられた。
引き揚げ作業を行っている県航空協会会長で県立三沢航空科学館館長の大柳繁造さんは
「泥に埋まっていた部分は予想以上に傷んでいたが、69年前の機体がこれだけしっかりした形で
残っていたのは奇跡的。ようやく直接見ることができて感慨深い」と話した。
同協会の有志らは同日中に機体本体部分の引き揚げを目指す。
[東奥日報]2012年9月5日(水)
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クレーンで引き揚げられ姿を現した旧陸軍機の尾翼＝5日午前10時15分ごろ、十和田湖畔宇樽部
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