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★尖閣と竹島―政治が対立をあおるな
中国でまた、反日デモが起きた。尖閣諸島に不法に上陸した香港の活動家を、日本側が逮捕したことが引き金になった。
日本では不法上陸への反発が広がり、地方議員ら10人が政府の許可なく尖閣に上陸した。
日韓が領有権を争う竹島では韓国が李明博(イ・ミョンバク)大統領の名を刻んだ石碑を建てた。大統領の上陸に続く、無分別な行動だ。
感情をたぎらせ、ぶつけあう。隣国同士でこんな不毛なことをいつまで続けるのか。
野田政権の基盤は弱い。秋に世代交代を控える中国の指導部は動きが取りにくい。年末に大統領選がある韓国では、李大統領の求心力低下が著しい。
難しい時期だが、事態を収めるべき政治が対立をあおるような振る舞いは理解しがたい。本来の外交の場で引き取り、沈静化を図るべきだ。
中国のデモは、尖閣沖での衝突事件の後に反日が吹き荒れた一昨年の再現のようだった。
北京や上海では厳戒態勢が敷かれ、デモは散発的だった。だが、香港の隣の深セン(センは土へんに川)などでは参加者が暴れ、
日本車や日本料理店を壊す騒ぎになった。
日中の貿易総額が年間27兆円余りとなるなど、相互依存は強まるばかりなのに、きわめて残念だ。
粗暴な行いが国際社会でのイメージ悪化にもつながることを中国は知るべきである。
ただ、反日に過剰に反応するべきではない。(続く)
asahi.com 2012年8月21日(火)付
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