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あらためて世界地図を眺めると、日本はユーラシア大陸の東端に寄り添うように横たわっている。海を渡れば、すぐそこにロシア、韓国、中国、台湾がある。
日本海や東シナ海は隣同士を結ぶ海上の道である
◆その道がトラブル続きだ。竹島に韓国の李明博大統領が、尖閣諸島には香港の活動家が上陸した。2009年に鳩山由紀夫元首相が訴えた「友愛の海」は、
「争いの海」の感すらある。中韓も賛同した「東アジア共同体構想」は、しょせんは夢幻だったか
◆目を欧州に転じると、通貨の共同体ユーロがある。先の大戦で日本と同じ敗戦国となったドイツが屋台骨を支えている。
ギリシャの財政破綻でユーロ圏の結束は揺らいでいるように見えるけれども、原点には平和への強い思いがある
◆「欧州統合は平和か戦争かの問題だ」。ドイツのコール元首相は、こう訴えて通貨統合を推し進めたという。
田中素香・中央大学教授の「ユーロ 危機の中の統一通貨」に詳しい。同書によると、コール氏は10年、80歳の祝賀会でも、
自国の利益のみを優先する風潮を戒めている
◆政治体制や文化が異なる欧州と東アジアを単純に比べるつもりはないが、戦後67年の落差を痛感せざるをえない。歴史認識や領土問題を乗り越えて、
東アジアが一つになる日はまだ遠い。冷静になって、信頼を深める取り組みを一つ一つ積み重ねていくしかない。
信濃毎日新聞 08月20日(月)
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