12/08/09 11:29:43.01 0
・ネット右翼とはどんな人々なのか。ジャーナリストの安田浩一氏がその素顔に迫る。
* * *
ネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる若者と接する機会は少なくない。7月末、都内の居酒屋で会った
25歳の青年もその一人だった。
「朝鮮人は恥知らずだ。犯罪者ばかりだ。日本を貶め、日本人を嫌っていながら、日本に住み続ける。許せない」
混み合う店内で私は周囲の視線を気にしながら、それでも彼の言葉に耳を傾け続けた。空になったグラス
が増えるたびに口調はますます熱を帯びる。矛先は黙って聞いているだけの私にも向けられた。
「なめられっぱなしだってことがわかっているんですか? なぜマスコミは朝鮮人の本当の姿を国民に
伝えないんですか? あの犯罪民族によって歴史は捏造され、我々は土地も資産も奪われたんですよ。
日本人だって拉致されたでしょう。このままじゃ日本が日本でなくなってしまう。それでいいんですか?」
彼にとって韓国と北朝鮮は完全な「敵国」であり、在日コリアンは「侵略者」以外の何者でもなかった。
考え得る限りのあらゆる否定的価値が、それらに詰め込まれている。
憎悪に満ちた言葉を次々と吐き出しながら、それでも話題が他に逸れると、彼はどこにでもいる、
あまりに凡庸な若者の姿に戻った。
彼が「日本人としての危機感」を持つようになったのは、民主党政権が発足した2009年からだという。
それまでは特に政治への関心も興味もなかった。そんな彼を憂国の道に誘ったのはネットの
世界である。ネットには民主党政権発足を危惧する言葉があふれていた。
売国奴が政権を握った。外国人参政権が成立するのも時間の問題だ。「在日」が日本に反旗を翻す。
売国奴と連携した中国が日本を攻めてくる。日本が日本でなくなる。
怖くなった、真実を知った、と彼は言う。本当の敵を発見した、とも言う。外国人が日本を蹂躙し、
隅に追いやられる日本人、つまり自分の姿を想像した。それまで想像すらしたことのなかった暗黒の
世界が広がった。
そして彼の孤独な“戦い”が始まった。深夜、アルバイト先から帰宅するとネット掲示板や右派系の
ブログ、SNSを巡回する。彼の「お気に入り」は日を追うごとに増えていった。(>>2-10につづく)
URLリンク(www.news-postseven.com)