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★発信箱:よくあること=落合博(論説室)
業界の常識が世間の常識とずれていることは少なくない。世間に説明するのが難しい行動を取った人への批判を和らげ、
事態を沈静化させる魔法の言葉がある。「よくあること」だ。言われた方は納得したような心地になり、議論は深まらない。
ロンドン五輪のサッカー女子1次リーグの最終戦で、日本の監督は後半の途中から「引き分け狙いの試合」をしたことを記者会見で明かした。
2位になった方が準々決勝の戦いが有利になるとの判断で、1位にならないために、わざと勝ちにいかなかったという。
結果的に日本は決勝まで進み、監督のもくろみは当たった。
昨年の女子ワールドカップ優勝が、それまで女子サッカーに興味も関心もなかった人たちをも巻き込んで社会現象になったのは、
体の大きな外国人に対して、全力で、ひたむきに挑んでいく彼女たちの姿に多くの人たちが共感したためだろう。
「がっかりした」「対戦相手への敬意はないのか」という声に対して、元選手や評論家らは「サッカーではよくあること」や
「成熟したサッカーファンは駆け引きを含めて楽しんでいる」などと擁護した。
知り合いのサッカージャーナリストがバドミントン女子の無気力試合にも触れて、「勝とうとしないのは『スポーツの基礎』を危うくする。
この考えは正論だろう」とブログに書いたところ「スポーツをやったこともないやつが言っているだけではないか。
何も分からんくせに批判なんかして、足引っ張るな」との書き込みがあった。
業界の常識と世間の常識のどちらが正しいか一概には決められない。ただ、「よくあること」で済ませていてはせっかくの共感を失いかねないし、
世間には説明が難しい「不都合な真実」に目をつむることは成熟でもなんでもない。
毎日新聞 2012年08月09日 00時38分
URLリンク(mainichi.jp)
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※前(★1:8/09(木) 03:07:25):スレリンク(newsplus板)