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国内で唯一の人権に関する総合展示施設、大阪人権博物館(リバティおおさか、大阪市浪速区)が、
存続の危機に直面している。年間10億4000万円の収入のうち約85%を占めていた大阪府・市の
補助金が、今年度で打ち切られるためだ。行政が人権問題についての施設費用をまかなう意味と、
補助金打ち切りの背景を、識者らの言葉から探った。
同博物館は、1985年開館。部落差別を筆頭に、アイヌ▽在日コリアン▽沖縄▽女性▽ハンセン病
▽薬害エイズ??など、さまざまな問題を取り上げる。展示資料は約2000点。文書やパネルを並べる
だけでなく、実物大で再現したアイヌのチセ(家)、沖縄や朝鮮半島などの民族衣装が着られるコーナー
などもあり、多面的だ。
橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事は今春、展示が「差別と人権に縛られている」「子供が夢や
希望をもって将来像を描く施設になっていない」などとして、補助金打ち切りを決めた。
博物館の関係者らは、補助金打ち切りを「人権教育の危機」と憤る。以前は橋下市長自身、「僕は、
人権という教育は絶対必要だと思ってますので、ここはもう崩さず」(府知事時代の2009年に博物館
リニューアルを求めた際の府議会での発言)などと語っていた。
そもそも人権問題の展示施設を、行政が支えてきたのはなぜか。人権博物館の元理事長でもある元木健・
大阪大名誉教授(社会教育学)は「『社会教育法』で説明ができます」と話す。
一般的に、博物館の設置運営は、同法に基づく社会教育の一環とされる。同法は、国や地方公共団体が
「市民の自主的な社会教育活動のための環境醸成」をしなくてはならないとする。「同法は、博物館など
施設の設置運営どころか、集会の開催や資料の作成・配布までも、行政の責務としています」(元木さん)
(>>2-に続く)
▽毎日新聞
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