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★フランスではあり得ない生活保護バッシング レジス・アルノー
・人気お笑い芸人の河本準一は生まれる国を間違えたのだろうか。河本は5月、自分は高い収入が
ありながら母親が生活保護を受給していたことを日本じゅうの人々の前で謝罪した。
フランスなら河本は模範市民と見なされたはずだ。勲章の1つももらえたかもしれない。
フランスの基準からすれば、河本親子は当然のことをした。母親は失業して国に助けを求めた。
息子は一生懸命働いて高い所得税を払っているのだから、政府の歳入の足しにさえなっている。
息子がいくら成功していても、母親はできる限り政府の寛大さに甘えるべきだ
─フランス人ならそう考える。
フランス人は困ったときに国からお金をもらうことを恥と思わない。日本人より高い税金を
払っているから、経済的に困っている人間の面倒を見てもらうだけの金は政府に「支払い済み」
だと考える。生活に困っている親を子供が経済的に援助する法的義務はあるが、親は子供の
経済状態に関係なく生活保護を申請する。
実は親が生活保護を申請するのは、決して子供に頼らず、自分の好きなように生活するためだ。
フランス人にとっては、国から金をもらうより子供から金をもらうほうが恥ずかしい。一方で子供は、
親のすねをかじらない自立した人間に育てる。もちろん親子の絆はとても強いが、国の責任は
きちんと果たしてもらう。
もらえるものはもらわなきゃ、というのがフランス流。フランスなら、河本の母親は息子が
成功していても堂々と生活保護をもらえるだろう。生活保護を受ける人の割合はフランスでは
総人口の5・7%と日本(1・6%)の3倍以上だ。(>>2-10につづく)
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