12/07/21 07:07:16.12 tUZ1y35rP
一世帯あたりの生活保護費の減額に成功すれば、生活保護を受給していない世帯の生活は豊かになる。
<解説>
「豊かになる」は誤り。
生活保護世帯の困窮度が高まるのとリンクする形で、国民全員が貧困になる可能性の方が高い。以下、「一世帯あたりの生活保護費」
そのものとして、「最低生活費」という用語を使用する。
一例をあげれば、最低生活費が減額されれば、所得税非課税の上限が引き下げられる。すると、これまで所得税を課税されていなかった世帯
にも課税が行われるようになり、生活が圧迫される。
また、最低生活費と最低賃金には密接な関係がある。最低生活費が引き下げられれば、最低賃金も引き下げられるであろう。最低賃金もまた
憲法25条が定める「健康で文化的な最低限の生活」を保障するという目的に応じて定められているからだ。最低賃金が引き下げられれば
労働のコストは全般的に現在より低く見積もられ、あらゆる層で収入が低減することになる。
結果として、消費は抑制される。これは新たな不況の糸口ともなりうる。
望むべき最良のなりゆきは、「景気回復の結果として雇用状況が大きく改善したので生活保護世帯が激減し、結果として、日本は生活保護費の削減に成功した」
であろう。それを目指さずに、単に「生活保護費を削減できればよい」と最低生活費を引き下げることは、あまりにもリスクが大きい。 ~週間ダイヤモンド~