12/07/13 14:15:27.07 L3qorKWh0
一般論として、市側の安全配慮義務違反と自殺との間に因果関係が認められる
かどうかは難しいところだと思う。
それを承知しているから、市側は当初から強気の姿勢を崩していない。
交通事故後の自殺例と比較すると、交通事故と自殺との間に因果関係を認める
裁判例は存在するが、この場合事故から自殺までの間に被害者が事故を原因と
するうつ病等の精神疾患を発症しているという事実が裁判において認定されて
いる事が殆ど。
不法行為における損害は、「通常損害」と「特別損害」という二つに分けられる
のだが、医学上、うつ病に罹患した者の自殺率は全人口の自殺率を比較してはるかに
高いという事実が認められているので、通常損害として不法行為と自殺との間に
法律上の因果関係は認められる。
これをいじめの例に当てはめると、安全配慮義務違反→精神疾患→自殺の場合は、
「通常損害」として因果関係は認められるだろう。
しかし、精神疾患の事実が明らかにされない場合、自殺による生命侵害は「特別損害」
として、不法行為者(学校側)においてそれを“予見できた場合”にはじめて因果関係
が認められることになる。
裁判においては、学校が“被害者が自殺に至る程度のいじめ”の存在を認識・予見して
いたかが争点になるのであって、単にいじめの存在を認識していただけでは足りない。
仮に因果関係が認められても、被害者の心的要因によるものとして、賠償額が減額され
るけどね。
まぁ、ここまで問題が大きくなった以上、いじめ(学校側の責任)と自殺との因果関係は
うやむやにして和解により決着するんじゃないかな。